中の炭火は見た目にあったかく、パチン、パチンという炭の音がなんとも雰囲気のいいものです。
他の暖房もついていましたが、火鉢があるとついつい近寄って両手を近づけてしまいます。
火というものの特徴は、主に暖かいことと明るいことです。
少し言い方を変えると、暖めることと明るくすることです。
暖めるとは、何かを暖めるわけで、その何かはもともと冷たいわけです。
明るくするとは、そこはもともと明るくなく、暗いわけです。
よく陥りがちなのが、僕らに足りないものをもらえたら僕らはもっと幸せになれるという考え方です。
今で言うところの、寒いから暖める。暗いから明るくして。という考え方です。
ですが、そのためには、寒い、暗い、と気づく必要があります。
私たちに置き換えると、日々の一つひとつの事柄がなぜ私に起こったかを
ちゃんと納得できているかということで、これは大変難しいことです。
気づきもしないところに一筋の救いがあったとき、
私たちは自分の置かれていた状態を見せつけられるのだと思います。
そうでなければ、喜びは半減です。
自分が必死になって手探りで頑張って、
どうにもならなくてお手上げで、
それでも諦めずもがき続けるところに、
救いはいよいよ暖かく、輝きを増すのだと思います。