前を向いて歩こう~お寺ブログ~

泣いてくれる人がいる

2018.05.10

ボツリヌス注射から1週間が経ちました。

「のどの注射の後、2週間ほどは枯れたようなひどい声になると思います」
そう先生から伺っていたので、覚悟はしていましたが…

あまりにひどい声に、かなりショックを受けてます。
普段のお参りはまだ人間関係ができている門徒さんが相手なので温かく見守ってと言いますか、ご容赦くださいます。

ですが、今夜は通夜のお参り。
門徒さん以外の方々が大勢参列されます。
この声で人前に出てお経をとなえてお話しをしなければいけません。

さすがに心が折れそうです。

そんな今さっき、お参りに行った先でのこと。
いつもお世話になっているおばあちゃんの家。
「ごめんねーひどい声だけどお参りするね」
いつものようにお参りするんですが、とにかくひどい声。
逃げ出したいぐらいの思いでいると、お経の途中で後ろのおばあちゃんが声を我慢しながら泣き出しました。

お参りが終わって話して、
「じゃあお通夜行ってくるね。多分誰にも何言ってるか分からんと思うけど」
って言ったら、
「ごげはんの声がひどくて誰にも聞こえんでも、ごげはんが気持ち込めて声出してるのも、心つらいのこらえてるのもちゃんと分かるから」
って言われました。

なんだか自分が情けなくなって、自分の声が出ないのが歯がゆくなったのと同時に、言わば、他人の僕のことを泣いてくれる人がいるってすごいことだと思いました。

自分のために泣いてくれる人がいる。

人になんて思われようと、お通夜頑張ってくる。

前を向いて歩こう。






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